noel1982’s diary

アラフォー独女は健康でシンプルな生活がしたい

村上春樹の最新刊買った

別に熱心なハルキストではないんだけど。

新刊がでるとやっぱり読みたくなる村上春樹

久々にでかくて分厚い単行本を買った。

うわーインクのにおいがするよ!!

古本屋や図書館の本たちにはない、ページをめくるたびに香る

インクの匂いになんかやたらトキメクw

そうそう新しい本ってこんな感じなのよね~。

初版本を定価で買うなんてもう久しくなかったから、なんか

それだけで心が弾む。

内容は、まだはじめの方を読み始めたばかりだからなんとも

言えないけど、すぐに感じたのは、

あれ、これって・・・なんか知ってる・・・?

図書館・・・?あ!!影!?

これってもしや

『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』!?

すごーい昔に読んだ村上作品だけど、二つの世界が同時

進行で描かれるスタイルがとても斬新で、内容は正直

よくわかんなかったけどwなんかすげえ!!!

って思った記憶がある!!

私は何の事前情報もなく今回の作品を読み始めたんだけど、

どうやらこの作品の原型は1980年に発表したものらしい。

初期の村上作品を愛する私としては歓喜

なんか最近の村上作品にはない、なにか懐かしさのような

ものを感じたのはそのせいなのね?

私の村上作品のお気に入りは初期3部作といわれる

風の歌を聴け

1973年のピンボール

羊をめぐる冒険

なんだけど、これらと同じような時期に原型が書かれて

いたとは!!

村上作品の何が好きかと言えば、個人的には主人公の孤独

につきる(だいたい結婚や恋愛に失敗して独り身w)。

でもその孤独はネガティブな感じじゃなくて、

それを踏まえたうえで、不可解な出来事に巻き込まれても

やれやれってな感じで一人ひょうひょうとドライに立ち

まわっていく感じがたまらなく好きだ。

(チャンドラーのフィリップマーロウシリーズを村上春樹

が愛読してるのもなんかよくわかる。マーロウも基本孤独

な一匹狼だから)

自分も人とかかわるのが苦手で子供のころから一匹狼的な

感じだったから余計にそういう主人公の姿をいいなと

思えたんだと思う。

だけどいつの頃からか村上作品からそういう主人公の感じ

がなくなってしまったように感じて、『海辺のカフカ

を最後にそれより後の作品にはなんか個人的にピンと

来なくなってしまって・・・。

(あ、『ノルウェイの森』はカフカより前だけど何が

いいのか一番わからないんだけども)

なので今回の作品もきっと期待外れだろうなぁとは思い

ながら、いやでもやっぱり読む!って感じだったw

まだ最後まで読んでないのでどうなるかわからないけど、

最初のあたりまではなんか私の好きだった村上春樹

匂いがしてうれしい!読み進めるのが楽しみだ!

まあそうはいっても30代に書いた原型を、70代の今、

あらためてリメイクするのだから、あの当時の若さゆえの

スリリングな感じ、ドライな感じ、ハードボイルドな感じ

にはならないだろうなぁとは心得ている。

作家も当然歳をとれば描きたいもの、伝えたいものが

変わってくるのは当然だからな。

髙村薫とかもそうだけどさ。

うん、仕方なし。

うん・・・・あーいやでも・・・。

もう一度『ねじまき鳥クロニクル』みたいな長編を読み

たいのよね~とか思ってしまうw

ただのわがままなんだけど!