悲しいニュース。
私の大好きなピアニストのポリーニが亡くなってしまった。
私は元々クラシックが好きだけど、ベートーヴェンが好き、
みたいな感じで作曲家でしか好き嫌いを区別していなかった。
でもポリーニの存在を知って初めて、演奏者でこんなに
同じ曲でも違ったように聞こえるんだ!ということに気が
ついて衝撃を受けた。
それほど、ポリーニのピアノの音はそれまで私が何気なく
聴いてきた音とは違っていた。
私は専門家じゃないし、ピアノが弾けるわけでもないから
詳しいことも技術的なことも何もわからないが、ポリーニの
弾くピアノは鋼のような硬質さと、それ故の比類なきかっこ
よさがあって、あまりにキラキラと音がはじけるようなピアノ
が苦手な私からすると、彼の音はまさに本命ど真ん中の好み
だった。
とくに30代の演奏音源は大好きで、少しずつCDを集めてきた。
文句なし。神。
プレリュード(1974)もよき。
ベートーヴェンもすてきだ。
ああでもベームと共演したモーツァルトの23番(1976)も好き。
でも一番好きなのはこれ↓
ブラームスピアノ協奏曲2番(1976)
もう何度聴いたかわからないくらい聴きまくっている。
私の中でポリーニと言ったらこれ。
もう最初のうねるようなピアノの音で一気に引き込まれる。
しびれる。
かっこよすぎる。
なんか人の喜怒哀楽すべての感情をこの一曲にぶち込んだ
ような感じがあって、本当に好き。
ああ・・・この頃の音を生で聴いてみたかった。
まだ生まれてないよ・・・。
今はCDで音源をずっととっておけるし、動画サイトで
いつでも見れるんだけどさ、やっぱり音楽は生で聴いて
なんぼなのよ。
いくらいいスピーカーでも生で聴く楽器の音には叶わない。
あの音の響き。音の圧。
そういうのってやっぱり体感しないとなんだよね。
同じ時代には生まれているけど、ポリーニ自身けっこう来日
してくれてたはずだけど、ああ、私生まれるの遅かったわ。
70年代、せめて80年代にコンサートに行ける大人でありた
かった・・・。
まあなんにしてもこうやって昔の演奏がいつでも見れる
聴ける環境があるっていうだけでもありがたいけどさ。
私はこれからもずっとポリーニを聴き続けるよ。
ありがとうポリーニ。
あなたが残してくれた音は宝物。
死んでなおきっと永遠に残り続ける。
どうぞ安らかに。