noel1982’s diary

アラフォー独女は健康でシンプルな生活がしたい

読書の秋(リヴィエラを撃て)

やだ久しぶり過ぎてブログの書き方忘れてる・・・。

別に何があったわけでもなく普通に生きてただけなんだけど、

何もないと書くこともないっていう・・(;^ω^)

気がつけば今年ももう残り3か月!

そして私はもうすぐ40になるよ☆

ぴゃああああ!!!

信じられんな!40年も生きてきただなんて!

まあ顔にシミが目立ち始めたし、疲れやすいし、日々老いは

感じるんでな・・・いつまでも若い気でいたらいかんわ。

歳なんてとりたくないけど、今だから味わえるものってのも

確実にあって、その一つが私にとっては髙村薫の小説。

ここ半年、ずっと読んでいる。

とてもおもしろい。作品によっては非常に難解で、自分の

理解力のなさに泣きながら読んだものもあるんだが、

(太陽を曳く馬とか太陽を曳く馬とか太陽を曳く馬とか!!)

とくに90年代に書かれたものはわりに読みやすく、ぐいぐい

引き込まれて止まらない感じ。

とはいえ以前は『マークスの山』を冒頭で挫折した経験が

あり、合田刑事が出てくる前に諦めてた私。

読む本ってその時の自分に合わないとおもしろいと思えな

いんだなぁと改めて実感。

ためしに中学高校時代に夢中で読んだよしもとばななの作品を

今読んでみたら「なんだこりゃ」って感じにしかならなかった。

そういうわけで40手前の今は秋の夜長に髙村作品三昧♪

どれも甲乙つけがたい作品ばかりだけど、今はこれ!

 

 

リヴィエラを撃て』!!

すでに何度か読み返しているんだが、読むたびに理解が深まる

というか泣けるというか切ないというか・・・。

自分なりに年表を作って、出てくる地名を検索して、

アイルランドの歴史を調べて、人物相関図を書いて、

とまあ手間をかけてよめば読むほど味わい深い。

そして読書のお供にはウィスキー。

これも以前は味わえなかったもの。

昔はウィスキーってただ消毒液飲んでるんじゃないかと

思っていたんだけどwやっとこの歳になって味わいが

なんとなくわかってきたぞ!

なんでウィスキーかっていうと、作中の登場人物たちが

よく飲んでいたからってだけなんだけどw

私は今、ジョニーウォーカー赤ラベルを飲んでいる。

ラベルがかわいい!!香りがいい!!

なんか甘い!!そして安いからな!!

飲み方としては邪道かもだけど、食事にも合うんだぞ!

 

 

読書のお供その2は音楽!

私はBGMをかけながら読書するのが好きだが、特にこの作品は

音楽が必須だと感じている。

それもブラームスのピアノ協奏曲2番が!!

もうこれ以外のテーマソングはないなって感じだ。

この曲は登場人物の一人で、私の最も愛する!美貌の

ピアニストノーマン・シンクレアが物語の終盤に奏でる

音楽なのだが、その時の描写が素晴らしい。

実はこの曲、私はこの本で初めて知って、どんな曲かなと

YouTubeで検索して(なんて便利な時代…)、たまたま最初に

ひっかかったのがポリー二とアバド指揮のウィーンフィル

共演したもので、聴いたらもうシンクレアのピアノそのもの

って感じで・・・まあ泣くよね。

シンクレアがどんな気持ちでこのブラームスを奏でてたのか・・。

自分の犯してきたこと、死んでいった者たちのこと、陰謀や

暴力、権力をたてに暗躍する者たちへの怒り、そしてこれから

訪れる自らの死・・・。様々な後悔と改悛を経て万感の想いで

奏でられるこの曲。

実はポリーニ以外のピアニストの同曲を聴いてみたりも

したんだけど、やはり一番ぴったりはまるのがポリーニ

だった。

ほかのピアニストたちはもっと軽やか?華やか?な感じ。

特に第一楽章とか音がキラキラしてるピアニストが多くて、

猛烈な嵐のような、たたきつける雨音のような、荒れ狂う怒り

みたいな音がなくて、ポリーニにはそれがあった。

なので個人的にシンクレアのブラームスはこれだ!と勝手に

決めていたんだけど、最近いろいろ調べたら髙村先生が下敷き

にして描写したのがまさにこの録音だったとの情報が!

まじかああああ!

いや、真偽は定かではないんだけど、そうだったら

本当にうれしい!

私の読解力、音楽を聴く感性は

間違ってなかったぞおおおお!!

って思うからw

でもこのポリーニブラームスは結構賛否両論っぽいですね。

音が重すぎるとか堅苦しいみたいな?

でもリヴィエラが好きな人は絶対このポリーニが好きだと

思うわ。こういう演奏を生で聴けたら・・・夢みたいですな。

っていうかシンクレアみたいな美貌の!!天才ピアニストって

いないかしらね~w

 

最後にちょこっと作品に出てくるピアノの描写を。

 

youtu.be

第一楽章→「主題を展開するピアノの超絶技巧は、どこまでも

暗い炎を上げている別世界のうめきに聞こえた」

「ピアノの重い爪は、光のすべてを再びうちに閉じ込め、

ひたすら地の底を叩き続けて・・・」

第二楽章→「そのピアノの打鍵の重さ、激しさは、今は血を

流しているかと思うほどだった」

第三楽章→「シンクレアの指から落ちる音は、まさにしずくの

響きを聴く思いだった」

「まさに、涙の音のようだった」

最終楽章→「ほとんど現世のものでないすみやかさ、

軽やかさ、明るさに包まれて、ピアノもピアニストも

疾走していた。一楽章で地の底を叩きつけた指が、

今は天を翔けている」

 

髙村薫『リヴィエラを撃て』新潮文庫

下巻p231~234

秀逸です!!!